2021年11月8日 / 学習法

本当に数学に必要な力

みなさま、こんにちは。
ベイジー 西本です。

あくまで私の指導経験に基づくものです。
数学はセンスがないとダメだーっていう先生が昔はよくいましたが果たしてそうでしょうか。

本当に数学に必要な力5選は以下の通りです。これらは自分にあった正しい学習をすれば必ず身につけられます。

数学をこよなく愛する方、ずば抜けて出来る方には当てはまらないかもしれません。また、大学数学にも当てはまらない部分があります。

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計算力

皆さん、計算力を軽視しないでください!
私が最も大事だと考える力が計算力です。

解き方が分かっているのになぜか解けない、
あと少し時間あれば解けたのにってことありませんか?

「計算力不足」が原因です。

たわいもない計算は本来、頭の中で瞬時に行える必要があります。頭の中で瞬間的に計算して、違うなとなったら除外する。これができなければ近年の大学入試において時間内に高得点を取るのは難しいでしょう。

計算力には二つあると考えます。
単純計算力」と
計算しない計算力(工夫計算力)」です。

単純計算力は文字通り、
計算(四則)の早さと正確さのことです。

では、工夫計算力とは何でしょう?
素因数分解を例にとって考えてみます。

1001を素因数分解してください。

この数の素因数を知っている人は別として5秒以内に出せた人がどれだけいるでしょうか。

ちなみに私なら最初から7で割るもしくは瞬時に11の倍数だとわかるので11で割ります。最初に7で割る理由は数字を見て2,3,5では割り切れないと瞬時に判断できるからです。11で割る理由も数字の交代和が11の倍数になっていることがわかるので瞬時に11で割れると判断できます。

このように工夫計算力はとても重要です。そして、時短できるだけでなく計算回数が減るので計算ミスの少ない最強の計算と言えるでしょう。

ではどうやって計算力を養うのか?

どちらの計算力も練習により養うことができますが養い方が大きく異なります。

単純計算力は下のような計算練習を日々行うことで養われます。

毎回時間計測して過去の自分と比較するのもよいでしょう。ただし、単純計算はやればやるだけ集中力と体力を消耗しますので毎日30分以内を目安に実施するのが良いでしょう。

学習の合間の気分転換、学習中の強制切替など自分にあった方法を試してみてください。

一方、工夫計算力に大切なのは、
「知ること」です。

「3で割り切れることと各桁の和が3で割り切れることは同値である」
「奇関数は積分区間がy軸対称なら積分の値が0になる」など
まずは、いろいろな工夫を知りましょう。

しかし、知っているだけでは実践できません。普段の学習で実践していない人が本番で生かすことはまず無理です。普段から「むやみにゴリゴリ計算しない癖」をつけることが大切です。


判断力

解けない問題をずるずると考えて時間が過ぎ去ってしまったこと、間違った解法で突き進みどつぼにはまったことはありませんか。

判断力の欠如」が招いた失敗かもしれません。

計算力同様、こちらも2種類に分けられると考えます。
瞬間判断力」と「未来予知判断力」です。

難しい言葉で書きましたが簡単な言い方にすると、
前者は「問題を見た瞬間に解く、切り捨てる判断力」で
後者は「この先の展開を予想して今のやり方を続ける、切り捨てる判断力」です。

前者は普段の学習ではあまり意識しなくてもいいですが、
テストや入試といった制限時間の設けられた場ではとても大事な能力であるといえるでしょう。
そういった場では、瞬時に解法を思い浮かばなければ切り捨てる、もしくは飛ばす必要があります。
解けるかもという曖昧な感情は、テストや入試ではなくすことが合格点奪取への鍵だと考えます。

後者は少し説明が難しいので、山登りに例えます。
歩いて登れそうな山があります。
山登りのルートはいくつかあり、好きなルートを自分で選べるとしましょう。
最初に選んだルートを歩いてしばらくすると予測していなかった険しい山道に遭遇しました。
あなたは、そのまま登り続けますか、切り返して別のルートで登りますか、
それとも登ること自体を諦めますか。

最初に自分がうまくいくと思って選択した解法が最善であるとは限らないのです。
解答の途中で未来を予測して判断する必要があります。

ではどうやって判断力を養うのか?
判断力も計算力同様、普段の学習の中で意識していかないと実戦で発揮できるようにはなりません。

そして判断力を養うのに一番大事なのは、「失敗すること」です。

「このやり方だとめちゃ時間かかるじゃん!」は実際にやってそう感じないと意味がありません。
この失敗こそが将来の判断力を生み出します。

どんどん効率の悪いやり方をして失敗する、そして疑問を持つ。
「このやり方、ほんまにこれでええんか?もっとうまいやり方ないかな?」
そこにあれこれ指示をしてこない師がいて相談できる環境があればベストです。


帰着力

はじめにこの力だけは前提となる知識が必要となります。
教科書に載っているレベルの公式、定理、問題は頭の中に入っていることが前提です。

その上で初見の問題や応用・難問題をこれまで培ってきた知識に
帰着させる力を帰着力と呼んでいます。

入試では教科書に載っているような基本問題はほぼ出題されません。
しかし奇問を除き、どの問題も基本問題を手を変え品を変え見せているに過ぎません。

大切なのは基本問題に帰着させる「キーワード」を見つけることです。
次の問題は東京大学(2021年度)の入試問題です。

一見すると何をしていいか検討がつかないかもしれませんが
「交点の数が6個」というキーワードに注目すると、
交点をとりあえず出してみようとなるはずです。

交点を出すためには中学で習った連立方程式を解いてやればよかったわけなので
それをやってみると六次方程式が出てきます。

ここからは省略しますが、これから先も基本事項への帰着の連続です。

ではどうやって帰着力を養うのか?
帰着力を養うには、問題をたくさん解けばいいわけではありません。

最初にも書いた通り、教科書レベルの事項をしっかり頭に入れることから始めます。
その上で、問題集の問題を見てキーワード(帰着パターン)と解法を結びつける必要があります。

例えば、二次方程式の解の一方が正で他方が負であるという問題を見たら
解の配置問題なので「D、軸、切片」と瞬時に出せるようになることです。

ただ問題を解いていくのではなくそこを意識して解き進めていくことが大事です。
必ずしもノートに解答を書いていく必要はありません。

問題だけ見て解法を思いついたら解答を見て答え合わせする。
解答のやり方が必ずしも良いやり方とは限らないので
こちらも判断力同様、師に指南してみるのもよいでしょう。


思考力

数学と思考力は切っても切れない仲ですね。
ただ、この力に関しては長くなるので具体的な問題例を扱いながら
「数学と思考力」という記事で紹介します。


体力

意外かもしれませんが、最後に必要な力は体力です。

他教科と比べ、圧倒的にノートの減りが早くありませんか。気付いたら数学だけはノートがなくなったいうのは珍しくないはずです。学校の授業でも圧倒的に数学だけ板書を消す回数が多いと思いませんか。途中式をかかないやそもそも解けてないという事象を除き。

そのため、圧倒的に体が疲れます…
脳を使って疲れるのではなく、書き過ぎて手が疲れてしまうのです。

体力がないと問題が解けるようになっても体が追いつかない。日頃から途中式をしっかり書いて体力をつけていないといざというときに戦えません。


まとめ

数学に必要な力5選と書きましたが
どれも社会を生きる上で必要な力
と言えるかもしれません。

そして、どの力も地道な努力の先に
手に入れられるものです。

センスという曖昧なものは必要ありません。


最後に

頭ではわかっても実戦できないのが人です。

人はすぐに諦めます。

人はすぐに逃げ出します。

人はすぐに言い訳します。

そんなとき支えてくれる人がいれば…

立ち止まらないはず!

厳しくしてくれる人

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